従来のヘルプデスクは、IT部門を中心とした単に問い合わせに回答する部署に過ぎませんでした。部門ごとに担当するヘルプデスクの業務内容は異なるので、専門性を追求するあまり他の部門に関しては回答を拒否する傾向にあったわけです。会社の業務効率を良くするために導入したはずのヘルプデスクが、機能不全に陥る最大の原因はユーザーに問題切り分け能力が無いことです。サービスデスクを配置すると、まず問い合わせた内容から解決に導けるヘルプデスクを探すことが容易です。正しい部署へ問い合わせを送ることで、解決までの時間を短縮出来るでしょう。一見すると遠回りになりがちなシステムトラブル対処は、解決できる部署の選別を行なう部分だけでも問い合わせ時に発生するユーザーの不満を減らす効果を期待出来るでしょう。

ユーザーからの問い合わせを一元化する窓口と認識する

ヘルプデスクと間違いやすいサービスデスクは、ユーザーからのシステムトラブルの受付を一元化したものです。まず状況を把握するためにユーザーに質問し、詳しい状況から導き出される対処方法や回避方法をユーザーに伝えます。実行トラブルが解決しなかった時に引き継ぐヘルプデスクだけでなく、ハードウェア修理であればシステム部門を手配することになるでしょう。ユーザーの立場に立ったヒアリングと初期対処方法を指示する権限と機能を持たせることは出来るので、初動対応では解決できない場合に専門分野のヘルプデスクと連携する必要があります。ユーザーからのヒアリング内容をまとめて該当するヘルプデスクへ伝達するので、冷静かつ適切に状況を連絡出来るでしょう。窓口を一元化する効果が最も発揮されるのは、複合部署にまたがったシステムトラブル発生時です。

業務内容に集中するため問い合わせを早めに行なう

専門分野が細分化されたヘルプデスクでは、問い合わせ内容が部署の仕事内容と一致しなければ回答義務がありません。しかし、どの部署のヘルプデスクへ連絡すれば良いのか判断する人が今までは見られませんでした。何度も同じ問い合わせが社内で寄せられているにも関わらず、ヘルプデスク部署間の連携不足により一度解決済みの問い合わせ内容が、何度も時間をかけて対処する事態になりかねません。サービスデスクによって、問い合わせ部署への連携をスムーズに取る機能が発揮されれば、問い合わせた内容が会社全体への周知事項に発展することが少なくないでしょう。同じシステムトラブルに対して、解決方法を共有することは、業務効率改善にとって有意義なことです。社員にとって重要なことは、システムトラブルに関する問い合わせは早期に行って後回しにしないことです。